
Columnの最近のブログ記事


長くなっちゃったので3部構成で^^;
■前置き
「クラウド型クイックアクションレコーダー機能を中心に置いてクリエイター育成サービスを提供しよう!」ということで新しい会社で走り始めたわけですが、まずは、その有効性というか面白さを体感できるプロトタイプでもα版でもいいから、目に見えるものを作りたいわけです。
初期の段階で、①サーバー、ネットワーク周りのインフラ技術者、②DBも含めてウェブ系フレームワークを組む技術者、③動画再生まわりのプレイヤーの技術者、④デザイナーといった人たちが必要で、さらに、継続してサービスを続けながら、使い勝手をあげていくとなる、ある程度の人員を確保していく必要があると考えているんですよね。
①はプロジェクトに参加希望してもらっている社内技術者でなんとかなりそうですが、それ以外はなかなか厳しいので、外部からの協力は必須。
自分の評価経済資本がたっぷりあれば、「面白そうだから手弁当で是非」なんていう人たちが集まってきてというように進めるのが理想ですが、そんな資本は。。。
そんなわけで、お金経済に頼るしかないのが今の状況ですが、ニコニコの戀塚昭彦さんや、当時のライブドアの小飼弾さんみたいなスーパー技術者がいるわけでもないので、(仮)版サービスリリースまでに3カ月はかかると思うし、その後付加サービスの充実をはかるとなると、この間の外部の技術者のメンツと、ネットインフラを維持しないとならないわけで数千万単位でお金が必要なわけですよ。
経営陣をはじめ会社メンバにはサービスの必要性や存在意義を感じてもらいだしているのですが、ポンとお金が出るほど甘くはないですから、資金調達の手段も検討しないとね。
みんなのアニメでも使おうとしているクラウドファンディングというのもある。あるけど、現時点では難しいだろうなぁ。。。まず(仮)版をつくって使ってもらうのが先だろうし。
で、なんか助成金があるらしいというクールジャパンについて調べてみたわけですよ。
個人的には国やそれに準ずる団体が行っている助成金にたよるのって、違和感あるんですよ。
特に最初から事業ブランに助成金をもらうことが前提のビジネスってどうなんだろうというのもあるし、立ち上げ時に助成金をもらって成功したっていうビジネスもあんまり聞いたことがないような。
でも、とにかく戦争やるには弾が必要で背に腹はかえられない。
まずは調べてみようと。
見つけたのはこちら。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cool_japan/
内閣官房知的財産戦略推進事務局ってところでとりまとめた「クールジャパン推進会議」ってところですね。
ちょっと前に秋元康さんの「クリエイターは無償で協力すべき」発言で物議をかもしたやつですね。
秋元康さんの発言事態については議事録をちゃんとよむと、ジブリとか日本のトップランナークリエイターが一肌脱いで引っ張っていくべきだという趣旨の発言なんだけど、たとえの一部分だけ切り取られて「クリエイターは無償で尽くすべき」みたいになっちゃっただけに見えるし、推進会議のありようや進め方自体に対する疑問もぶつけているところは個人的には納得感というか共感できる部分はあったわけです。
■基金500億円
で、このサイトに公開されている資料とか議事録とかかったっぱしから読んでみました。
結論からいうと、クールジャパン名目で500億円の基金をつくることが、決定したとのこと。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cool_japan/dai1/siryou5.pdf
500億円というと、1億円なら500本、1000万円なら5000本のプロジェクトが作れるわけですね。
ITバブル華やかしころを少し思い出させてくれる規模の実弾が用意されるというのは、それはそれでいいことなのかもしれない。
でも、議事の中身を読めば読むほど「これじゃない感」が。。。
まぁ、既にあるクールジャパンコンテンツを海外にガンガン売り込んでいこうぜ!って趣旨なんで、海外に人を送りこんで交流を深めようとか、海外のオタクを育てていこうって感じの話が多くて、もっと身近な国内の動きについての議論があまりなされていない感じ。
■クールジャパン推進会議ポップカルチャーに関する分科会
アニメ・漫画関係については、こちらの分科会で議論されていて、具体的なアクションに向けた議論がなされています。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cool_japan/bunka/dai2/gij...
特に慶應義塾大学の中村伊知哉 教授の提唱する3つのキーワード、
「参加=みんなで」
「融合=つながって」
「育成=育てる」
これなんかもコンテンツのあり方やクリエイターの育成方法なんかホリエモンさん×岡田斗司夫さんで進めてる「みんなのアニメ」に通じていると思うし。
神の雫なんかの漫画原作者である樹林伸さんの、
育成っていうまえに、「週6日間で、朝10時から、早ければ夜8時、遅ければそのまま次の夜まで徹夜。収入は、初任給が8,000円、5か月目で3万でした」っていうアニメータの労働環境ってどうよ?!
みたいな発言はほんと本質をついているという感想をもちました。
でもね、これが上の推進会議でまとめられてでてきたのが、
「ポップカルチャーのクリエーターの励みとなるように顕彰事業の充実を図ること。」
ようは、「いろいろ表彰してやるから、おまいら、がんばれよ!」みたいな。。。
予感はあったが、「クリエイター育成するサービス」をお上にたよるのは無理があるな。自ら創らねばという思いを強くする今日この頃といった感じです。
ここの記事にもありますが、
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/13/story_n_3438220.html
お上には、お金はだしても口は出さないことを期待ですね。
「ご存知の通り、日本は日本であり、彼らはやってのけた」 ――そしてついにMMDキャラと対話できるフリーウェアができた。我々はいまや限りない自由を手にしている。 by 尻P
ーバル企業のビジネスの流儀を経験できたのは非常によかったと思う。
たった一社の経験ではあるけれども、グローバル企業のビジネススタイルや行動原理についての片鱗は理解できたよう気がする。
日本流とくらべて良い点、悪い点あるのだが、国内でビジネス活動するにしても、いやおう無しグローバル化している現在において、グローバル企業の行動原理を理解できるかどうかは、企業のサバイバルに大きく影響してくるのではないかと思う。
以下に紹介するビデオは夏野さんをぐぐっていて見つけたものだが、夏野さんが海外進出やグローバル化を進めることのできない日本企業の体質について、「理解できない」としている歯がゆさについてすごく共感することができたのも、外資での経験があってこそだとおもう。
インフォシスの人の話も、インドの一企業がグローバル企業を目指して海外進出し苦労して体得した経験に基づいた活きた話だなぁという感想です。
でも、こういった話の貴重さ理解できるビジネスパーソンがどれだけいることやら・・・
理解できる人が増えてほしいものです。
明けましておめでとうございます。
昨年は変化の年と位置づけて新しい環境を開拓することを目標としておりました。
しかし、世の中の変化、というか激変に、職や住といった基本的な要素はかわっていないのに、結果として大きな変化がおこった1年となりました。
本年は更に激動と混乱の年になりそうですが、気持ちとしてはなんだかワクワクしています。
どうなっちゃうかわかりませんが、どうなるかわかっているより楽しそうですよね。
それでは、今年1年、風のように生きていこうと思います。
2009年 元旦
ひろゆき vs 梅田望夫 のトーク
10万円じゃ失礼か?
2月28日、高品位での動画共有サイトの代名詞ともいえるStage6がサービスを停止した。
アナログ地上波放送なみの動画を気軽に投稿、視聴できていたことで、投稿数もユーザーも伸び続けていたようである。トラフィック増大にともなう運営、維持するために莫大な設備投資を維持できなくなったという点が閉鎖の最大の要因だといわれている。
その一方で、本日、ニコニコ動画がRC2からSP1と進化リニューアルされ、新しいサービスを開始した。最大の売りはなんといってもH.264など高品位の動画フォーマットに対応した点だといえる(先行テスト中ということで利用はプレミアム会員に限定されているようである)。
ニコニコの運営が事前にStage6閉鎖の情報を得ていたのでは?と思えるぐらい絶妙なタイミングでのリニューアルといえよう。
既にユーザーによって高品位フォーマットのテスト動画投稿なども行われているが、高品位な画像、音声が楽しめるようになった。一方で視聴する側のPCに要求されるリソースは増大していて、画面を最大化して高画質を楽しむためには最新機種に近い処理能力が必要とされる。
私のメインマシン(Celeron 2.8GHz、1GBRAM、GeForce4 MX4000グラフィックボード)でも、通常サイズでの再生は問題が無いが、最大化すると表示面積が拡大する分、解像度が相対的に落ちてしまい(それでも一般的なコンテンツであれば充分な画質)、あわせてコメントを非表示にしないとCPUパワーが消費されてコマ落ちする場合がでてくる。より高性能なPCであれば、コマ落ちはなくなるだろうし、ひょっとすると解像度もよりよく表現されるかもしれない。
いずれにしても、アナログ地上波放送並の品質の動画を、好きな時に好きなだけ、好きなコンテンツを選んで見られる時代が実現しつつある。
この画質であれば、画質や音質にこだわって採用を見送っていたような動画も、公式動画として登場してくるに違いない。
そういえば、閉鎖されたStage6自身が、その受け皿として選んだ高品質動画サイトには、ChannelsというページやTV Showsというページが用意され企業による動画配信も行っている。
Stage6もニコニコ動画もユーザに指示されていた動画投稿サイトであったが、一方は、高品位動画をはじめから売りにしていたのにもかかわらずサイトが閉鎖され、一方は、高品位動画に対応しますますユーザーとビジネスチャンスを獲得していくという差がついてしまったのは、どのように理解すべきだろうか。
私なりの答えのひとつとしては、昨日、一昨日の話題の続きになるのだが、、そのサイト内にコミュニティーを内包できていたかどうかという点である。
ニコニコ動画におけるコミュニティーについては昨日のブログに書いたとおりであるが、Stage6では、視聴者がYoutube程度のコメントと評価を書き込めるようになっていたが、それほど活発には利用されていなかったように思える。
Stage6ユーザーが一番見ていたものはおそらく、著作権的に問題がある日本のアニメーションや映画といった違法コンテンツだったと思われる。
Youtubeやニコニコ動画にも違法コンテンツが投稿されている場合はあるが、品質が悪いのに対して、Stage6ではアナログ地上波並の画質でそれを見ることができていた。
つまり、お金を払うこと無く、優良コンテンツが見られるという点が一番受け入れられたのだと思う。
Stage6は資金難に陥った時、新たなスポンサーを見つけることができなかった。高画質動画配信という技術的な優位性しか存在しなかった。むしろ、高画質な違法コンテンツを楽しむサイトといったイメージが、大勢のユーザーを抱えながら、新たなスポンサーを遠ざける結果になったといってもいいかもしれない。
他方、Stage6自身が受け皿に指名した、高品質動画サイトはある意味注目に値する。
先に紹介したとおり、企業ユーザーがついている点、Peooleというページがありユーザーにカスタマイズ可能なブログ的機能を提供していて、投稿者が自分の動画を紹介したり、視聴者がお気に入りの動画を紹介したりと情報発信を行うスペースを用意しており、ニコニコ動画とは違う形でコミュニティーを形成しようとしていて今後の動向が気になるところである。
あとは、Youtubeが高画質に対応するかどうかも今後の興味の焦点になろう。世界規模で既に莫大なコンテンツとユーザーを抱えるYotubeが高画質化に対応するとなると、相当な設備投資を強いられるはずだからだ。
しかし、TV離れ、DVD離れが進む中、ウェブ上での動画コンテンツの高画質化は時代の要請といえるだろう。
音楽のダウンロード販売がCD販売数を超越したように、動画の高品質化により、ウェブで動画コンテンツを見るということが当たり前になっていく流れがより加速されるだろう。
昨年の今頃、私がやっているオンラインゲームのプレイヤーのブログを巡回していて、ニコニコ動画の紹介があった。
紹介といっても、オンラインゲームがメンテナンス中でログインできない時はこのサイトを見てニコニコしてます程度のものだった。
実際に、ニコニコ動画を見た時、「これは凄い!これこそはWEB2.0だ!」とかなり興奮し、思わずほとんど音沙汰の無かった友人にも「こんなサイトがあるぞ」とメールしたのを覚えている。
しばらく間は、日々、のめりこむようにニコニコ動画を見て回っていたが、日々発見が続き、「これは凄い感」は、益々増大していくばかりだった。
驚く点はいろいろあったのだが、一番は素人の作った動画作品が、本人や他のクリエイターによるバージョンアップを受けてどんどん進化してい点だった。
進化の原動力はなんといっても、視聴者のコメントだとおもう。それに応えるようにクリエイターはバージョンアップや新作を作り出し、さらに視聴者のコメントに一喜一憂しながら活動を続ける。
まさに、コミュニティーがそこにあると感じ、ひとつの動画を中心に作者と顔の見えぬ他の視聴者たちと共に自分もコミュニティーの参画者であるという感覚に浸ることができる。
ほとんどゲームをやっていなかった私がオンラインゲームに嵌ってしまったのも、はやりそこにコミュニティーが存在し、プレイヤー同士の関係が新鮮で面白かったからといえる。オンラインゲームの場合は、ゲーム中で自分の想定したキャラクターを演じることができるという点も大きな面白みひとつである。
作品を投稿するわけではないが、ニコニコ動画ではコメントをつけることにより、ある意味キャラクターを演じることが可能だと思うし、その気になれば動画作品にて演じることもできる。
想えばこのブログもそうであるが、ウェブ上で情報発信をするという行為は、ある意味自分の思いを「演じている」といえるかもしれない。
ウェブ世界では匿名性であったり、実名であってもフェイスtoフェイスの直接的なコミュニケーションではないことから、リアル社会では、照れもあって言葉や行動にできないようなことでもできてしまい、それは脳に快感を与える行為なのだろう。
さらに、快感を覚えた人達が更なる快感や興奮を求めてウェブ世界を探索し、たどり着いた先で形成されるのコミュニティーは、同じ特定の情報(動画だったり、テーマだったり、ゲームだったり、場合によっては仕事だったりするかもしれない)「面白い」を感じる人達の集まりであるから、よりいっそうコアで刺激的ななコミュニティが形成されると思う。
「面白い情報」と「演じられる自分」と「演じている仲間」。ウェブ上で行われる、1対1でもなく、1対多でもなく、多対多の情報交換の場。
限定的な特定の情報をテーマとして集まったメンバーなので各々が一定の共通項も持ちつつも、多対多であるがゆえに、不確定要素は増大し、予想できない展開が多発するカオスなコミュニティー。
場合によっては、テーマを超越した展開が派生し、さらにあらたなコミュニティーが姿を表す。
多種多様な考え方、行動スタイルが混在するカオスな世界を受け入れ、そこから次々と新しい発想やクリエイティブな活動につながるコミュニティというのが、これからのウェブ世界で流行るのかもしれない。
■ネットコミュニティー
4Gamer.netというソフトバンク系のオンラインゲーム&PCゲーム情報サイトで、「2ちゃんねる」と「ニコニコ動画」のひろゆき氏が語る,ゲーム・コミュニティ・文化という特集が掲載されていた。
結構なボリュームのインタビュー記事で、前半はゲーム関連の話題が多いのだが、中盤あたりより非常に興味深い話題がいくつもでてくる内容となっているので、一読の価値ありだ。
興味を強くひかれた部分をいくつか抜粋をして引用(斜体太文字)しよう。
ひろゆき氏:
人間に興味があるんじゃなくて,どちらかというと知識に興味があるんですよね。「この話をしたい」とか「こういう情報を知りたい」とか,目的は人間じゃなくてあくまで情報なんです。(中略)そしてその場合,肩書きは邪魔になります,(中略)匿名でいながら説得力のある人って,結局情報ソースを持っていたりとか,合理的に結論を導いていたりとか,誰が見ても納得できる理由を持っているわけです。情報としてはそっちのほうが信頼性が高くなるんじゃないのかなと思っているんですけど。
ひろゆき氏は、2chについて、「うそはうそであると見抜けない人には(掲示板を使うのは)難しい」という言葉を数年前に発しているが、現在の利用者はかなり成熟した情報リテラシーを身に付けていて、特定のジャンルに興味を持つ人間があつまるコミュニティー的なスレッドでは、いい加減な内容は掲載しづらくなってきているようだ。
これは運営側が意図的に仕向けてきたわけでなく、玉石混合、虚々実々ウェブの世界で利用者自身が審美眼を身につけ進化してきているといえよう。
また、発言者の肩書きではなく純粋に知識そのもの、情報そのものに価値や興味の重きが置かれてコミュニティが形成されている点が、ウェブ時代の新しいコミュニティのスタイルといえると思える。次はこれを証明しているような、ひろゆき氏の発言である。
ひろゆき氏:
残った情報として価値が高いのはどっちかっていうと,たぶん属人情報が少ないほうじゃないかと,僕は思うんですけど。説得したければそうせざるを得ない。単にフィーリングが合うからっていう人なら,それはそれでいいと思うんですけど。(中略)ところがそのうち,属人的な,要はハンドルを持っている人が会話をし始めて雑談が増え,そこにいたい人はそのままいた。でも,その場にいたい人の話って,面白くないんですよ。今日何食ったとかそんな話だから。そうすると他人から見て面白くない情報が多いので,新しい人が入ってこなくなって,新しい情報が少なくなって,廃れていくんですよ。(中略) 僕は基本的に第三者とか,まったく前提知識のない人が見て,面白いものであったほうが面白いと思うタイプなので。で,「ニュース速報」から「ニュース速報VIP」というのがうまくいって,でもそこもまた最近雑談が多くなって,廃れて始めているという。(中略)こういうコミュニティって,だいたい2,3年でつぶれるんですよね。つぶれる理由ってやっぱり,常連が幅を利かせるからで。
成熟して属人が幅をきかせるようになってしまい、コミュニティ継続の基礎である知識や情報の新陳代謝が低下してくると楽屋落ち的な形式的な情報や意味の無い雑談の情報量が増えてしてしまい、コミュニティは廃れてしまうというわけである。
この後、話題は「2ch」から「ニコニコ動画」へ移っていくのだが、それはまた明日。